金木犀と「元彼の遺言状」

週末は近くの山に散歩に行くことがある。

標高400位で、自宅から往復で1時間のちょうど良い散歩コース。

平らな道を歩くのと違い、山道は早歩きすると息が上がるし、いつも使ってない筋肉を使うようで、帰ってくると気分爽快でビールがすすむ。

 

その散歩コースで、今年初めて金木犀の香りがした。

この匂いをかぐと、この季節が来たか〜としみじみしてしまう。

結婚して夫の地元に来て働き出し、夕方仕事から帰る道すがらこの匂いがして、

あーもう自分の作る家に帰るんだな、お母さんのいる家に帰るんじゃないんだな、

灯りのついた家に帰るのは幸せなことなんだなと、淋しさと不安の中に希望が入り混じる

何とも複雑な気持ちになったことを思いだす。

 

 

子供の運動会の朝。窓をあけると、、、この香り。

運動会に行けるのワクワクした気持ちと、1ヶ月前からお弁当のメニューに頭を悩ませ、いざ取り掛かるぞーと一人気合の入る、地に足がつかない秋の朝。

 

色々な気持ちが押し寄せて、子供たちが大きくなった今、ただただ懐かしく愛おしい瞬間。

 

 

読んだ本新川帆立「元彼の遺言状」

お金大好き、気の強い弁護士が活躍するミステリー小説。

 

何よりお金が大事と豪語する彼女の、ストレートな物言いに惚れ惚れします。

弁護士として仕事に邁進するが、自分の仕事にプラスにならないと思った時はバッサリ切り落とす。得意な情報分析力で真相を暴き出し、見事なお裁き。

彼女の一人完結の生き様が痛快だと思って読み進めていた。

しかし、裏のないストレートさが意外と周りの人から信用されている。

留置場さえも自分のペースで過ごせる姿あっぱれ。