西條奈加「心淋し川」
久しぶりに直木賞作品を読んだ
普段、新聞の書評とかブログ等で紹介されたものを図書館で借りることが多い
今回も書評だったか、直ぐに予約を入れても数ヶ月待つので
忘れた頃にやってくる
その時は予約したことすら忘れてしまってる
江戸後期の長屋に住む住人たちの物語6編が収まっている
訳あって心川(うらがわ)近くにある、長屋に住みついている
不安や後悔や恨み、それぞれに心に抱えながら日々を過ごす人々が
交差しながら生きていく
人間は生まれながらにして恵まれている人、恵まれていない人がある
また、それが一生続くとは限らない
でも生まれ落ちたその場所から、生きていくしかない
自分の人生を受け入れて
おかれた場所で生きる様子が心に染み入ってくるような物語だった
最終話の茂十と楡爺の焦点があった場面がやるせない
ただただ生きていればいいんだと、そのままでいいんだど言われたような、
そんな気持ちになった
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